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2025.11.16

プロ8年目の脇元華 逆転で悲願のツアー初V

<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>

JLPGA ツアー2025シーズン第34戦『第41回伊藤園レディスゴルフトーナメント』(賞金総額1億円・優勝賞金1,800万円)大会最終日が11月16日、千葉県長南町・グレートアイランド倶楽部(6,769ヤード/パー72)で行われた。8位タイからスタートした脇元華が65をマーク。通算16アンダーで嬉しいツアー初優勝を飾った。3打差の通算13アンダー、2位タイに永井花奈と工藤優海。通算12アンダーの4位タイに原英莉花、永峰咲希、イ ミニョンが入った。

これまで経験してきた優勝争いの回数は決して無駄ではなかった。首位と2打差の8位タイでスタートした最終日、脇元華は最終組の2つ前の組でスタートした。比較的プレッシャーの少ない位置だったが、心の中はしっかりと優勝に照準を合わせていた。そのために自らに課したのが、7アンダーの65で回ることだった。

幸先よく1番をバーディー発進すると、5番から3連続バーディーを奪い、前半を32でホールアウト。後半に入っても勢いは止まらない。13番からなんと4連続バーディーで一気に2位以下に4打差をつけて首位に立つ。最終18番では3パットのボギーを叩いたものの、目標どおりの65でフィニッシュ。通算16アンダーまでスコアを伸ばし、見事ツアー初優勝を飾った。

第2日を終えたときには、「自分は最終日に弱いので」と語っていた脇元。実際、首位で最終日を迎えながら、そのまま逃げ切れなかったのは1度や2度ではない。記憶に新しいところで言えば、昨年のTOTOジャパンクラシックだろう。2位以下に2打差をつけてスタートしながら、最終的に3打ビハインドの6位タイに終わった。

「いつも最終日になると自分だけオーバーパーで順位を一気に落としたりとかしていましたが、リーダーボードを見ていたのがよくなかったのかなと思います」。順位を見れば、それが自分のゴルフに少なからず影響を与える。それを今回は反省して、最終18番に来るまでボードをあえて見ずにプレーした。さらに、集中力を高めるために丁寧なゴルフを心がけたという。


<Photo:Atsushi Tomura/Getty Images>

「ティーショットをどこに打てば第2打を打ちやすいのか、ピンに対してどこに打てばパッティングしやすいのか、1つ1つキャディさんと話し合ってから打ちました」。当たり前のことかもしれないが、優勝争いという緊張の中ではそういった基本的なことを見直すことが意外と重要になる。今大会、脇元は最終日に一度もフェアウェイを外さなかったし、グリーンを外したのもわずかに1度あるだけだった。それだけでもいかに丁寧なゴルフをしていたかの証明になる。

プロ8年目にしてようやく手にしたツアー初優勝だが、20年から22年にかけてパッティングのイップス病に苦しんでいたときが最も辛かったという。ちょうどシード落ちしていた時期とも重なり「このまま自分はツアーから消えてしまうのか」と思い、グリーン上で涙をこぼしたこともあった。しかし、打ち方を変えてみたり、パット名人といわれる先輩プロからアドバイスを受けるなど、試行錯誤を繰り返し、徐々に克服していく。今大会では3日間の平均パット数が28.67で1位だった。そんな細かい努力が実を結んだ勝利ともいえる。

今季、宮崎県出身のプロで優勝したのは脇元が4人目になる。「絶対に優勝して地元宮崎で開催される最終戦のJLPGAツアーチャンピオンシップリコーカップに出場したかったんです」。そんな強い思いが脇元を支えたともいえるが、今後に向けて大きな転機となりそうな1勝となったことは間違いない。

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